貞観地震とその前後に起きた災害....そして東日本大震災

東日本大震災、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、そして大津波福島第一原子力発電所事故による災害、その地震によるエネルギーは凄まじく、また津波による破壊力は未だ恐怖を感じます。

 

この、東北地方太平洋沖地震発生の約20年前、そのような巨大地震が東北地方で起こり、大津波が押し寄せることを忠告していた人物がいました。

その人物は、東北大学大学院理学研究科の箕浦幸治(みのうらこうじ)教授です。

 

Scientist Warned of Tsunami Disaster in Japan | Public Radio International

記事によりますと、

箕浦教授は、日本紀略類聚国史171にある貞観地震の詩を元に地質調査をしました。

また、貞観地震による津波が想像を遥かに超える巨大なものだったことが判明しています。

そして、貞観地震のような東北地方で発生する巨大地震は800年から1100年サイクルで何度か起きていて、80年代後半にはすでに1100以上経過、そのことから箕浦教授は巨大地震と巨大津波の可能性を指摘しました。

そして、2011年の東日本大震災が起きます。

これは貞観地震の再来かとも言われています。

また箕浦教授は、90年代初めに東京電力の関係者にデータを示したところ、データを元に東京電力津波対策に乗り出した....が、時すでに遅し、あの地震による巨大津波で事故が発生しました。

 

箕浦教授の記事↓

 

津波災害は繰り返す

http://web.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/manabi16/mm16-45.html
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↑詳細はこちら

抜粋しますと、

陸奥国府を襲った貞観津波(じょうがん)
 3代実録(日本紀略類聚国史171)の貞観11年5月26日(西暦869年7月13日)の記録に、 次の注目すべき災害の発生が記されています。「陸奥国地大震動。流光如晝隠映。 頃之。人民叫呼。伏不能起。或屋仆壓死。或地裂埋殪。馬牛駭奔。或相昇踏。 城郭倉庫。門櫓墻壁。頽落顛覆。不知其数。海嘯哮吼。聲似雷霆。驚濤涌潮。 泝徊漲長。忽至城下。去海数千百里。浩々不辧其涯俟矣。原野道路。惣為滄溟。 乗船不湟。登山難及。溺死者千許。資産苗稼。殆無孑遺焉。」
 内容は、光を伴った鳴動と共に大地震が起き、 次いで押し寄せた津波は平野の奥深くまで侵入して陸奥国府の城下まで達し、 1000名を越す犠牲者が出た、と解読されます。


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みのうらこうじ
1949 年生まれ
現職:東北大学大学院理学研究科教授
国 際バイカル湖掘削計画研究企画委員長
専門:地質学および古生物学


f:id:somin753:20180214163531j:image貞観地震津波の復元

 

個人的に、貞観地震の前後に起きていたことが少し気にかかります。

 

貞観地震 - Wikipedia

9世紀には大きな地震・噴火が頻発しており、これらは『日本三代実録』に収録されている。

貞観地震との地球物理学的関連性は明らかではないが、地震の前後に火山の噴火が起こっている。この地震の5年前の貞観6年(864年)には富士山の青木ヶ原樹海における溶岩流を噴出した貞観大噴火が起きている(噴火の詳細については「富士山の噴火史」も参照)。また、2年後の貞観13年(871年)には鳥海山の噴火記録がある。この地震の9年後の元慶2年(878年)には、伊勢原断層の活動、又は相模トラフのプレート間地震とも推定されるM 7.4の相模・武蔵地震(現在の関東地方における地震)が発生しており、誘発地震の可能性が指摘されているが、間隔が開きすぎているともされている。915年には十和田火山の大噴火による火山灰 (To-a) が東北地方の全域に及び、宮城県北部においても火山灰に埋もれ、そのまま廃絶された水田跡が検出されており、貞観地震津波に続き、東北地方に重大かつ深刻な社会変動を引き起こした。朝鮮半島では白頭山もこのころ大噴火した。

西日本では前年の貞観10年(868年)に播磨地震(山崎断層を震源とする地震)、仁和3年(887年)に南海トラフ巨大地震と推定される仁和地震(M 8.0 - 8.5。一般的に南海地震とされるが、東海・東南海との連動説も有り)が起こっている。これらの関連性は不明であるが、この時代日本付近の地殻が大きく変動していた可能性が高いとされる。

今村明恒(1936)は、684年頃から887年頃は地震活動の旺盛期の一つにあたるとしている一方で、9世紀頃に地震記録が集中しているのは地方の地震が京都に報告される体制が整備された中での、六国史編集の人為効果による見掛けの現象であるとの見方も有る。

年表

850年11月23日(11月27日)(嘉祥3年10月16日) -出羽国地震、M7
863年7月6日(貞観5年6月17日) - 越中越後地震
864年7月 - 富士山の貞観大噴火(2年間)
864年11月 - 阿蘇山噴火
867年3月(貞観9年1月) - 鶴見岳大分県)噴火
867年6月 - 阿蘇山噴火
868年7月30日(8月3日)(貞観10年7月8日) - 播磨・山城地震、M 7、山崎断層か。869年1月(貞観10年閏12月) - 摂津地震(7月30日の余震が続いていた)
869年7月13日(貞観11年5月26日) - 貞観地震
869年8月29日(貞観11年7月14日) - 肥後台風高潮被害(潮水漲溢、漂没六郡、…其間田園数百里、陥而為海)。12月14日の伊勢神宮への奉幣告文中に「肥後国地震風水の災」とあり、津波が襲った可能性もあり。
871年5月(貞観13年4月) - 鳥海山山形県秋田県)噴火
874年3月25日(貞観16年3月4日)、仁和元年(885年)7月、同8月 - 開聞岳(鹿児島県)が大噴火。
878年10月28日(11月1日)(元慶2年9月29日) - 相模・武蔵地震、M 7.4
880年11月19日(11月23日)(元慶4年10月14日) - 出雲で地震、M 7
887年8月26日(仁和3年7月30日)- 仁和地震南海トラフ巨大地震?)、M 8.0 - 8.5
915年 十和田火山噴火。火山灰 (To-a) が東北地方全域に及ぶ。(『扶桑略記』裏書)。
940年ころ - 朝鮮半島白頭山噴火。

 

なな、なんと、貞観地震前後に起きていた災害、その多くは、これから起こる可能性があり、また危惧される災害、つまり、貞観地震前後(開きはあるが)の時代と近年はよく似ている........

 

そう思うのでした。

では。